今年は例年以上に籠り生活を続けていたせいか、わりとまんがを読んだ気がします。現在も連載中、あるいは2020年内に完結した作品からおもしれ~~のを選びまんた。よかった。
1. LV1魔王とワンルーム勇者(toufu/芳文社)
未熟な状態で復活した魔王が、かつて自分を打ち斃した勇者のもとへと向かう。しかしかつての英雄は無職のゴクツブシとしてだらだら生きていたのであった!
なぜか勇者にベタ惚れになっている魔王とのイチャイチャ生活、というなろう小説の亜種みたいな話。それだけにとどまらず「かつての勇者一行になにがあったのか」という謎が少しずつ提示されいくし、キャラも全員が魅力的。現代日本に強引、かつ無理なくファンタジー要素を放り込んだ世界観もありそうでなかったモノ。いろんなジャンルの漫画の要素が奇跡のようにまとまっている快作。
2.忍者と極道(近藤信輔/講談社)
特殊能力を持った忍者と極道がひたすら殺し合う、侠気と狂気のボルテージがぶち切れたハイパーテンションバトルまんが。「新キャラが登場してはバトルして死んでいく」という少年漫画のもっとも使い古されたパターンを真正面から描き、ここまで面白くしてるのはスゴいことである。重要そうなキャラが出てきてはかなり早い段階で死んでいくが、単なるコケ脅しではなくしっかり役目を終えてから退場している。短くも太い生きざま見せたる!という心意気を感じるテンポの良さ。
3.放課後スイッチ(井上とさず/講談社)
女子高生同士がいろいろ仲の良い様子を見せてくれる学園まんが。ヤッッッッッバいんですよ、これ。1話1話がハイカロリー過ぎて、まとめて読むと「ニチャァ...」とキモい笑顔になってしまいかねない。本当にいけません。15ページくらい読んでは「キャー」と赤面して顔を覆ってからまた読み始めている。
4.パペラキュウ(松永豊和)
作者の個人サイトで2011年から掲載されていた作品。今年の9月に全110話で完結した。
頭に手足が生えてくる「パペラキュウ病」の少年を巡る、子供同士の小さないざこざがいつしか国家を、そして人類全体をも巻き込む事件へと発展していく。序盤の一発ネタみたいな描写がみごとに伏線回収されていく第3部の展開などは、リアルタイムで読み進めていた人にとってはかなり痛快だったのではなかろうか。終盤は以前の話のコピペ展開が多くちょっと辟易したが、それでもこの最終回ですべて許せてしまう。唯一無二のユニークな「宗教まんが」としても外せない一品。
5.鬼滅の刃(吾峠呼世晴/集英社)
アオイちゃんが好き。
6.怪獣8号(松本直也/集英社)
怪獣災害が頻発する日本。ひょんなことから怪獣の力を身に付けた主人公・カフカは、怪獣やっつけ隊の入隊試験に挑むのであった。
ぶっちゃけた話『ジガ -ZIGA-』と大筋は同じなのだが、主人公(30代)の陽キャラさ、わかりやすくも魅力的な相棒にライバルと、読んでて応援したくなる要素が満載で熱くなれます。唯一の難点は怪獣がクリーチャー過ぎることくらい(もうちょいケレン味があってもいいと思う)。
7.少女聖典 ベスケ・デス・ケベス(ルノアール兄弟/秋田書店)
並の人類をはるかに凌駕する超弩級ムッツリスケベの女学生・ゆいかはスケベ心を司る悪魔「ケベス」を顕現させてしまう。毎回ろくでもないことをしでかるケベスだったが、ゆいかも相当なのでお互い様なのであった。
心の底からしょうもないチンポネタの数々はすでに「文化」「芸術」の域に達している。正直な話、読み返した回数で言えば今回紹介したまんがの中ではぶっちぎりのトップです。チンポは何回読んでも面白い。
8.怪異と乙女と神隠し(ぬじま/小学館)
都市伝説系のホラーまんが。主人公がちょっぴり太目で太眉ジト目の28歳で小説家志望の書店員、という要素過多ぶりで「ごちそうさま」としか言えない。既刊2巻でこれからどう転ぶかちょっとわかんない部分もありますが、個人的には大注目しております。
9.僕とロボコ(宮崎周平/集英社)
「はいはい、またコレ系のギャグまんがか~~」と連載開始前は思っていたものの、秀逸なパロディ、実は達者な画、嫌味が無く好感持てるキャラ達と、ジャンプのストーリーギャグ枠としては完璧な一品でした。毎週楽しみ。
10.SHY(実樹ぶきみ/秋田書店)
悪と戦う「ヒーロー」が世界各国に存在する時代。日本を代表するヒーローの正体は、超恥ずかしがり屋の女子高生であった!
『ヒロアカ』『ワンパンマン』だのがヒットをかましている今、ある意味難しい題材に真正面から挑んだ週チャン連載作。派手さや痛快さとはあえて別のアプローチでヒーローを描いており、繊細な心情描写が光る。どういう着地をするのかかなり気になる展開で、願わくは作風をブレさせることなくラストまで描ききってほしいなと。
以上です。次回は「新刊じゃない編」を…。