ジャッカルの日

漫画・ゲーム・映画・怪奇についてバカが感想と考察を書く

無い話満載のまんが怪道―『藤子不二雄物語 ハムサラダくん』

f:id:jackallsasaki:20180904003505j:plain

 kindle unlimitedで『藤子不二雄物語 ハムサラダくん』を読みまんた。連載当時の単行本で未収録だった分もバッチリ掲載されている完全版。とは言え、本作に最終回らしい最終回は無いようだ。

 『ハムサラダくん』、改めて読むと本当にヘンな漫画である。ご存知の通り『まんが道』をコロコロ読者向けに翻案した作品なのだが、「藤本弘と安孫子素雄」でも「才野茂と満賀道雄」でもなく「ハムとサラダ」…。F先生が肉好きでA先生がベジタリアンという、『まんが道』では特に重要でもなかった設定をタイトルに持ってくるのを皮切りに、あすなろ編を100ページほどでさっさと終わらせてからは完全オリジナルの展開に移行、藤子不二雄物語でもなんでもなくなってしまう。『まんが道』の面白さの1つは著名漫画家、漫画作品の名前がバンバン出るところにもあったが、『ハムサラダくん』には手塚治虫とその数作品が出てくるくらい。

 原作の魅力を伝えきれてるとは言い難いし、まんがを描く楽しさよりも苦労・挫折といった負の面ばかり強調されてるし、ぶっちゃけ傑作とは思わないが、ところどころに出てくる妙に「アツい」展開が印象深いのは確かだ。例えばハムサラダの担任であり、漫画家志望を支えてくれたゴリラ先生や、2人のデビューを支えてくれた厳しくも温かい〇〇出版社(原文ママ)の編集長などは名ゼリフも多く、頼れる大人として描かれている。『まんが道』にまったく出てこないオッサンたちが、主役2人を食うほどの大活躍をしてしまうのはどうかとも思うが、コロコロ読者にも感銘を与えたことは間違いないだろう。

f:id:jackallsasaki:20180904003313p:plain

いい人だが本筋とは特に関係ないゴリラ先生(※記事内の画像はすべて『藤子不二雄物語 ハムサラダくん 完全版 上・下』(吉田忠/グループ・ゼロ)より引用)

 

f:id:jackallsasaki:20180904003547p:plain

名言メーカーだが本筋とは意外なほど関係ない編集長 

 

 あとは特に書くこともないので、おれが好きな『ハムサラダくん』ポイントを3つほど挙げます。

 

 

1.ハムとサラダを襲うトラブルの数々!

  自伝まんがと言えば苦労話がつきもの。『ハムサラダくん』でも藤子不二雄っぽい2人が様々なトラブルに見舞われます。「なんとなくダラダラしてたら〆切をブチ破ってしまった!」という本編『まんが道』でも有名なエピソードに加え、「ハムくんが吐血したせいで原稿が汚れた!」「ハムくんがクギで利き手を怪我して二度とまんがが描けなくなってしまいそう!」「盗むものがなかった空き巣が腹いせに原稿を破いてしまった!」「ファンの男の子がハムサラダの目の前で車に轢かれてしまった!」といった事件が次々と起こる。

f:id:jackallsasaki:20180904004212p:plain

f:id:jackallsasaki:20180904004226p:plain

たいへんですね。

 

 

2.アクの強いライバルたち!

  『ハムサラダくん』は3部構成で、「第1部 めざせ!まんが道」「第2部 まんが道まっしぐら」に続く「第3部 まんが道どこまでも!」では、まんが家戦国時代編へと突入する。ここから本作も超人オリンピック編や暗黒武道会編のように血で血を洗うバトル展開に…は当然ならないのだが、オリジナルキャラはバンバン出てくる。

f:id:jackallsasaki:20180904004619p:plain

 この地図、わざわざ作ったんでしょうか。暇なん?

 それはともかく、この戦国時代編に登場するキャラを中心に本作のオリジナルまんが家たちを紹介していくゾ!

 

f:id:jackallsasaki:20180904004939p:plain

ジャンボ漫作

 本名は細井万作。体がデカいのでジャンボ漫作と呼ばれる豪放磊落な男。ハムサラダたちの先輩で、アパートの隣に引っ越してきた(トキワ荘ではない。というかこの作品にはトキワ荘自体出てこない)。美人で病弱な姉・幸香(さちか)がいたが、ハムサラダたちと遊園地で遊んだその日の夜に病死した。後に同じまんが家である春丘ゆりと結婚。モデルは石ノ森章太郎と思われる。

 

 

f:id:jackallsasaki:20180904005002j:plain

ミスター竜

アメリカのまんが修業から帰ってきた新人で、本名は福富竜太郎。リーゼントとサングラスでビシっとキメた本作一の問題児。「アメリカ滞在中は遊んでばっかりでまったくまんがを描かなかった」「広いハイウェイばかりぶっとばしていた」などと言っており、具体的になにを修業していたのかよくわからない。ハムサラダに大量のアイデアノートを見せたり、「スケールの大きいまんがを描いてやる」など具体性に欠ける宣言をしたり、エターナルフラグをバシバシ立てている。ちなみに実家は大金持ちで、たぶんまんが家をやらなくても一生安泰で暮らせるタイプ。モデルは不明。いたら怒られると思う。

 

f:id:jackallsasaki:20180902142241j:plain

風車かん平

常に冗談ばかり言っている大阪出身のギャグ漫画家。ミスター竜とつるんで遊び惚けているように見えるが、ハムサラダは「彼らは日々の遊びからまんがへのエネルギーを得ている」と畏怖していた。いろいろと常人には理解しがたいセンスの持ち主。赤塚不二夫がモデルと思われる。

 

f:id:jackallsasaki:20180902142746j:plain

畑大輔

SFから少女漫画まで、幅広い芸風を持つ新人。自分の小便とウンコで育てた大根を土産に上京してきた。30年まえのギャグ漫画でよく見られた「田舎者だとバカにしていたら実はスゴかった!」という、田舎者をバカにしたキャラ。モデルは不明。いたら怒られると思う。

 

 

f:id:jackallsasaki:20180902142141j:plain

細井みち夫

ハムサラダの下宿に押し寄せ、勝手に居候になった漫画家志望。藤子A風味のネクラな青年で、おとなしく見えてわりと図々しい。苗字がジャンボ漫作の本名と被っているが特に関係は無いし、作者も何も考えてないと思われる。

 

f:id:jackallsasaki:20180902142022j:plain

ミッキー江川

ハムサラダより年下の売れっ子漫画家だが、志の低いテキトーな人物。「前回の原稿から顔をコピーして使いまわす」という新鱈墓栄メソッドでエログロ作品を粗製乱造している。モデルは不明。いたら怒られると思う。たぶん永井豪

f:id:jackallsasaki:20180904005042p:plain

 

 3.原稿やぶられ過ぎ!

 よく原稿がビリビリに破られます。

f:id:jackallsasaki:20180904005407p:plain
f:id:jackallsasaki:20180904005609p:plain

 

f:id:jackallsasaki:20180904005714p:plain
f:id:jackallsasaki:20180904005723p:plain

 たいへんですね。

 ちなみに完全版下巻に収録された巻末インタビューによると、初期の数話を除いて作者の吉田忠先生は『まんが道』を読んでいないそうです。そうじゃないかなとは思っていたけど! 本作のまんが家エピソードの多くは吉田先生の体験を基にしたものも多いそうで、要は『ハムサラダくん』は吉田先生の遺伝子がブチ込まれたまんが道キメラなのだ。イビツながらもパワフルな、忠実移植に失敗したからこその味わい。原作とは別の次元の名作である。

 

キャノン・ボーラーのセリフが無駄に多いスマホゲー『キン肉マンマッスルショット』

www.youtube.com

 スマホゲーはすぐ飽きてしまうタチだが、『キン肉マンマッスルショット』は比較的長くプレイしている。ゲーム性はまんま『モンスト』なので語ることは特にないが、本作は他の『キン肉マン』ゲームには無い独自の強みを持っている。なんと、キャノン・ボーラーがめちゃくちゃしゃべるのだ。

 

 本作はプレイアブルキャラ数がアホほど多く、『キン肉マン』のキャラはほぼすべて出てくる。ポルターガイストやバアロノスのようなマイナー超人、明らかに戦闘要員じゃないナツミやドロシー&おがあ(セイウチンの家族)、他にも「アシュラマンの父」や「ウォーズマンに変装してベアークロー返しの特訓をしていた時の真弓」みたいなキャラも揃っているほど。今のところ登場する気配がないのは悪魔の種子のメルトダウンくらいなもんである*1


 なので、原作コミックで試合が描かれたキャノン・ボーラーなんてこの中ではメジャーなほうである。なんとキャノン・ボーラーだけで6種類もいる。

 このゲームでは、ステージをクリアしたときに使用キャラが専用のセリフをしゃべる。名言も多いが「なんでそこ引っ張ってくるんだよ」みたいなのも多い。キャノン・ボーラーにも各種2つずつ、計12種の勝ちゼリフがある。しかもキャノン・ボーラーがボスとなる専用ステージが2種類、難易度3段階別で計6ステージあり、ボスとしての登場時にもそれぞれ異なるセリフを述べる。これはえらいことである。そもそも原作でのコイツのセリフは「ハアハア」しかなく*2、総登場数も8コマ(背景出演除く)しかない。そんなキャノン・ボーラーが、果たしてどんなセリフをしゃべっているのか? 今まで我々がキャノン・ボーラーに抱いていたイメージと言えば「ビッグボディチームの副将であること」「マンモスマンと引き分けたのが唯一の活躍なこと」「なんかハァハァ言ってること」くらいしか無かったのではなかろうか。しかし、このゲームを通じてキャラクター性が掘り下げられたことで、キャノン・ボーラーの新たな一面が見えてくることと思う。それでは、登場順にそれぞれのセリフを紹介していこう。

 

●No.314 -強力チーム・副将- キャノン・ボーラー(★★★★)

f:id:jackallsasaki:20180803202407p:plain
f:id:jackallsasaki:20180803202432p:plain

「ビッグボディチームの副将の力を思い知ったか!」

 まずは「勝ちゼリフ」から。このゲームの超人のレア度は★~★★★★★★まであり、「覚醒」することで★が1つ増えて強くなっていく。覚醒は一部の例外を除いて1回のみ可能。基本的に★×6以外は使い物にならないので、★×4の超人はそれだけで戦力外である(覚醒しても★×5止まりなため)。

 コロシアムでの勝ちゼリフはこちら。

f:id:jackallsasaki:20180827234011p:plain

 「コロシアムでの副将の力を思い知ったか!」

 まんまですね。コロシアムというのはガチな対人戦で、弱いキャラでコロシアムの勝ちセリフを見るのは非常に難しいのだが(たまたま知り合いと出会うとか、相手が通信切断で不戦勝になるとか)、最近搭載された「ホーム画面カスタム機能」でキャラのセリフ一覧が見られるようになった。この機能がもっと早く搭載されていたらこの検証もラクに進められたのだが。

 

●No.315 -強力チーム・副将- キャノン・ボーラー(★★★★★)

f:id:jackallsasaki:20180803202535p:plain
f:id:jackallsasaki:20180803202548p:plain

「ビッグボディチームの副将は強いだろう!」

 上のキャノン・ボーラーが覚醒した姿。覚醒するとなぜか肩パッドが割れる。また、このゲーム中で唯一の半目じゃないキャノン・ボーラーでもある。

 キャノン・ボーラーは眠そうな半目キャラのイメージが強いが、じつは原作中では目を見開いているシーンの方が多い。というか、半目になっているのは最初に登場した時の1コマ目のみである(例のハァハァ言ってるシーン)。つまりあの半目は疲労、またはマンモスマンを前にしての焦り・恐怖を表したもので、普段の彼は半目でもなんでもなく、初登場時がたまたま半目だったせいで以降そのイメージが付きまとっているだけなのかもしれない。

 コロシアム勝ちゼリフ。

f:id:jackallsasaki:20180827234344p:plain

「コロシアムでも副将は強いだろう!」

 はい。 

 

 次に、「-強力チーム・副将- キャノン・ボーラー」が手に入るイベントバトルで、ボスとして出現したときのセリフ。

 

●来襲「必殺キャノンラリアート!」 50万パワー

f:id:jackallsasaki:20180803202554p:plain

「ビッグボディチームの副将が相手をしてやる!」

 このゲームのイベントバトルは難易度を「〇〇万パワー」と超人強度で記している。50万パワーはハナクソほじりながら足で操作していてもクリアできるレベル。

 

●来襲「必殺キャノンラリアート!」 100万パワー

f:id:jackallsasaki:20180803202602p:plain

「ビッグボディチームの副将がまた相手をしてやる!」

 早くもネタ切れ感がある。

 

●来襲「必殺キャノンラリアート!」 500万パワー

f:id:jackallsasaki:20180803202610p:plain

「ビッグボディチームの副将相手にこりないやつだな!」

 キャノン・ボーラーにとって「ビッグボディチームの副将」というポジションがいかに大きく、彼のアイデンティティに影響を与えているのかがよくわかりますね。

 ちなみにキャノン・ボーラーの実際の超人強度は800万パワー。強力チームは全員正義超人であることが後に明かされており*3、正義超人で800万というのは破格のパワーである。元は地球以外の星で活躍していたのだろうか。ついでに言っとくとキャノン・ボーラーの出身国(エントリー国)はイラクだかイランだかはっきりしない。

 

 上のキャノン・ボーラーは水属性だったが、次に火属性のキャン坊(略した)を見ていこう。このゲームの属性関連はパズドラやモンストとまったく同じなので説明しません。

 

●No.883 -仕組まれた引き分け- キャノン・ボーラー(★★★★)

f:id:jackallsasaki:20180803202619p:plain
f:id:jackallsasaki:20180803202627p:plain

「ハァハァ 負けてたまるか!」

 説明が遅れたが、このゲームには各キャラごとにアビリティというのが1個~6個くらい設定されていて、アビリティの組み合わせ次第ではHPや攻撃力などが低めのキャラでも大活躍できたりする。このキャノン・ボーラーはアビリティが「木属性耐性[弱]」1つのみだが、これは1800体以上いるキャラの中でも最弱候補である

f:id:jackallsasaki:20180827234511p:plain

「ハァハァ これで1勝だ!」

 コロシアムでのセリフ。待望の初勝利をもぎ取った!

 

●No.884 -仕組まれた引き分け- キャノン・ボーラー(★★★★★)

f:id:jackallsasaki:20180803202634p:plain
f:id:jackallsasaki:20180803202649p:plain

「ハァハァ 勝ちは勝ちだ!」

 このキャノン・ボーラー単体では正直なところまったく戦力にならないが、レオパルドンを覚醒させるための素材として使われたりする。ポーズはカッコイイ。

 

f:id:jackallsasaki:20180827234641p:plain

「ハァハァ 引き分けにはさせないぞ!」

 コロシアムの勝ちゼリフ。まあこの性能のキャノン・ボーラーでは実際のところ引き分けに持ち込むのも相当キツいとは思う。

 

 で、このキャノン・ボーラーのボスセリフ。

 

●来襲「唯一の引き分け!?」 50万パワー

f:id:jackallsasaki:20180803202656p:plain

「4人抜きは阻止してやる」

 

●来襲「唯一の引き分け!?」 100万パワー

f:id:jackallsasaki:20180803202703p:plain

「このまま負けるだけでは終われない!」

 

●来襲「唯一の引き分け!?」 500万パワー

f:id:jackallsasaki:20180803202710p:plain

 「両者ノックアウトでもいいから止めてやる!」

 見ての通り、知性チームのマンモスマン戦がモチーフのイベントバトル(それしか作りようが無いが)。来襲バトルが2種類ある超人はかなり少なく、期間限定バトルを覗けばキャノン・ボーラーとキン肉マンのみである。というのも「来襲」はもっとも難易度が低いイベントバトルで、この上に急襲・猛襲・激襲があり、知名度のあるキャラはたいていそっちでボスとして登場するので…。

 

 最後、木属性のキャノン・ボーラー。

 

●No.1566 -大砲並みの超人パワー- キャノン・ボーラー(★★★★★)

f:id:jackallsasaki:20180803202719p:plain
f:id:jackallsasaki:20180803202727p:plain

 「ハァハァ 副将の力を思い知ったか!」

 このキャノン・ボーラーはコロシアムを勝ち抜くことでもらえる賞品で、性能は上の4体と比べるとかなりマシなほう、というか普通に活躍できる。アビリティの「爆破ロープ耐性」は、持っている超人が比較的少なめなレアアビリティ。でもセリフは相変わらずハァハァだし副将推し。

f:id:jackallsasaki:20180827235212p:plain

 「ハァハァ やっと1勝だ!」

 コロシアムの勝ちゼリフ。No.883とあんま変わらんな。

 

●No.1567 -大砲並みの超人パワー- キャノン・ボーラー(★★★★★★)

f:id:jackallsasaki:20180803202735p:plain
f:id:jackallsasaki:20180803202742p:plain

  「ハァハァ 強いだろう!」

 現状、唯一の★×6キャノン・ボーラー。これまでと比べてイラストも異様に力が入っている。キャノン・ボーラーの生みの親である東京都の村上クンも満足であろう*4。あとこのキャノン・ボーラー、おれはまだ手に入れてないので(覚醒させるにもコロシアムの景品が必要で、期間限定なので入手が難しい)コロシアムの勝ちゼリフは不明です。たぶん「ハァハァ」は言ってる。

※追記※ 

f:id:jackallsasaki:20190414212218p:plain

  「ハァハァ これが副将の実力だ!」

  のちに手に入れたので検証してみたらやっぱりハァハァ言ってました。ちなみに現在(2019年4月)はコロシアムが廃止され「王位争奪戦」に改められましたが、いつまでもβ版でプレイできない状況なのでこのキャノン・ボーラーの入手は相当難しい、というか現状不可能です。

 

 いかがだっただろうか。キャノン・ボーラーが「ビッグボディチームの副将であること」「マンモスマンと引き分けたのが唯一の活躍なこと」「なんかハァハァ言ってること」がよくわかったのではなかろうか。今後もハァハァ言い続けてほしいですね。あとワンダースワンカラーの『キン肉マンII世 超人聖戦史』というゲームでもキャノン・ボーラーがめちゃくちゃしゃべっているという情報も得たので、本体+ソフトで5000円くらい払ってでも検証したいという方はぜひアレしてみてください。以上です。

 

 

 

 まあそれはそれとして『キン肉マンマッスルショット』はイラストがとにかく最高なので肉好きには普通におすすめします。

f:id:jackallsasaki:20180828000819p:plain
f:id:jackallsasaki:20180828001000p:plain

 連載最新分のサタン編のキャラももちろんいるし、

 

f:id:jackallsasaki:20180828001136p:plain
f:id:jackallsasaki:20180828001130p:plain

 「マッスルファイト」でも出てこないような超人も一線級で使えるし、

 

f:id:jackallsasaki:20180828001300p:plain
f:id:jackallsasaki:20180828001318p:plain

 「その形態を出す!?」みたいなマイナーどころも揃えてくるし、

 

f:id:jackallsasaki:20180828001752p:plain
f:id:jackallsasaki:20180828001718p:plain

 季節イベントのガチャもよい感じだと思います。

 

f:id:jackallsasaki:20180828001949p:plain

 以上です。

muscleshot.jp


*1:たぶん名前のせい。こいつはバイクの超人で、外見にはまったくメルトダウン要素が無いので名前変えてもいいんじゃないかと思う

*2:正確には「ハァハァハァ」

*3:悪魔超人でも完璧超人でもなければ、あとは正義超人か残虐超人のどちらかなので、そうおかしな話ではない

*4:読者投稿時の名前は「キャノンボールマン」だった

『遊戯王デュエルリンクス』でのみ流行したわけのわからないデッキ16選

 最初に言っとくと『遊戯王』を知らない人は置いてけぼりです。

 

 「各キャラが使える特殊なスキル」「初期ライフ4000」「デッキ下限20枚」「独自のしょぼいカードプール」といった要素により、『遊戯王』OCG(オフィシャルカードゲーム)とはまったく異なる環境のアプリゲーム『遊戯王デュエルリンクス』。ここでは「冷静に考えたらこんなんが流行ってたのヤベえよな」という気にならないでもない、懐かしのデッキを適当に紹介していきます。

 ※『デュエルリンクス』のカード規制「リミットレギュレーション」は、 「LIMIT1」に指定されたカードはその中から1枚、「LIMIT2」に指定されたカードはその中から2枚までしかデッキに入れられないというもの。OCGの制限カード・準制限カードとは異なるので注意。

 


【恐竜雷龍】
 『デュエルリンクス』ではいろんな原作キャラを使用できるのだが、初期に人気だったのは《ジュラシックワールド》*1をゲーム開始時から貼ることができるスキル「恐竜王国」を持つダイナソー竜崎だった。当時は攻撃力1700の《アックス・レイダー》がウルトラレア扱いされていたほどで、攻撃力が1900になった《屍を貪る竜》、《二頭を持つキング・レックス》で一方的に相手を倒せる恩恵はかなり大きかった。この2匹で《ブラキオレイドス》を融合召喚できれば圧倒的アドバンテージを得ることができたほど。どうせ融合ギミックを組み込むならと、恐竜族でもなんでもない《サンダー・ドラゴン》と《双頭の雷龍》をついでに採用したデッキも少なくなかった。

f:id:jackallsasaki:20180731191115p:plain


【海ビート】
 『デュエルリンクス』最初の追加パック「エイジ・オブ・ディスカバリー」は、デュエル開始時に自動的にフィールド魔法《海》を貼る梶木漁太のスキル、「海の伝説」と相性のいいカードが多数収録されていた。このため、初期の『デュエルリンクス』は竜崎と梶木がトップクラスの実力者という愉快な状況になっておりました。
 この頃の【海ビート】は《満ち潮のマーマン》をアタッカーに据え、《ヒゲアンコウ》からのアドバンス召喚や《大波小波》で《海竜-ダイダロス》を出し、盤面をリセットして一気に試合を決めるというものだった。ちなみに海デッキ自体は現在でも《伝説の都 アトランティス》や《潜海奇襲》を活用した形でそこそこ使われている。

f:id:jackallsasaki:20180731191159p:plain


【カラテマンワンキル】
 《カラテマン》に《財宝への隠し通路》を使って直接攻撃可能な状態にした後、《閃光の双剣-トライス-》を装備させて2回攻撃を付与。その後、《カラテマン》の効果で攻撃力を2000にアップさせ、直接攻撃×2でライフ4000を削り取る。初期の一時期のみ流行したが、皆のカード資産が増え《エネミーコントローラー》《クリボール》《ツイスター》が行き渡ったころには怖くもなんともなくなってしまった。

f:id:jackallsasaki:20180731191220p:plain


【狩場サクリ】
 孔雀舞のスキル「ハーピィの狩場」は、文字通りデュエル開始時に《ハーピィの狩場》*2を自動的に発動するというもの。比較的自由なタイミングで場の魔法・罠カードを破壊できるようになるため、相手の伏せ除去はもちろん、自分の《サクリファイス》で吸収した相手モンスターを破壊することで毎ターン効果を使えるようになる。あまりに強力過ぎたためか、スキル「ハーピィの狩場」が「デュエル開始時、デッキトップに《ハーピィの狩場》を置く」効果に変更された。また、「ハーピィ」自体のステータスの低さや展開の遅さも響き、徐々に姿を消すことになった。『デュエルリンクス』に実装されていない「ハーピィ」関連のサポートカードはまだまだあるので、何かのきっかけで再注目されるかもしれない。

f:id:jackallsasaki:20180731191248p:plain

 

【スタンバイバーン】

 お互いのデュエル開始時の手札を1枚増やす真崎杏子のスキル「デュエルスタンバイ」を使用、相手の手札の枚数に応じて効果ダメージを与える《革命》や、その他《ファイアー・ボール》などのバーンカードを使って勝利するデッキ。半々の確率で相手か自分の手札を2枚増やす《カップ・オブ・エース》は、どちらの効果でも有利に働くので相性がよい。先行さえ取れれば圧倒的かつ一方的なデッキだったためか、2017年8月に《革命》がLIMIT1制限されてしまった。ちなみに『デュエルリンクス』で最初に制限されたカードがこの《革命》である。初期ライフ4000の『デュエルリンクス』でこの火力は脅威であった。
 杏子の「デュエルスタンバイ」は【デッキ破壊】にも使われることが多く、こちらも初期デッキ枚数が少ない『デュエルリンクス』では対策していないとあっという間に積みかねない。最近は《カップ・オブ・エース》に加え、相手に3枚強制ドローさせる《悪魔の監視者》がLIMIT2制限をくらったため【デッキ破壊】も弱体化している。

f:id:jackallsasaki:20180731191323p:plain

 

【竹光バーン】
 《リーフフェアリー》を召喚後、《折れ竹光》《妖刀竹光》《黄金色の竹光》などの効果でドローしまくり、《黒いペンダント》などの装備魔法を《リーフフェアリー》で射出して1ターンキルするという理不尽極まりないデッキ。先手さえ取れればほぼ勝利できるほどの破壊力を持っており、やられた方は相手のソリティアを延々眺めていることしかできなかった。メタのつもりか《森の聖霊エーコ》*3が誰でも比較的ラクに入手できるようになったが焼け石に水、あっという間に《リーフフェアリー》《黄金色の竹光》ともどもLIMIT1に制限され構築不可能になった。

f:id:jackallsasaki:20180731191501p:plain


【粉砕ナチュル】
 ノーマル、レアのみで組める安価なデッキ【ナチュル】が流行したことがあった。《ナチュル・ハイドランジー》自身の効果や《ナチュル・パンプキン》で上級モンスターを手軽に並べられるため、毎ターン「自分フィールドのレベル5以上のモンスターの数×300」分の攻撃力アップができる海馬瀬人のスキル「粉砕!」と非常に相性がよかった。社長が可愛らしいナチュルのお花や虫さんたちを並べて「ワハハハハハハ!」と高笑いする光景がランクマッチでよく見られたものです。

f:id:jackallsasaki:20180731191650p:plain


【アロマヘイズ】
 OCGにもアロマと名の付くデッキはあるが、この場合は《魔封じの芳香》とも【アロマージ】とも関係なく(【アロマージ】デッキ自体は『デュエルリンクス』でもそこそこ強い方)、孔雀舞のスキル「香水戦術-アロマ・タクティクス」のこと。自分のデッキの一番上のカードを常に確認できるため、《陽炎獣 スピンクス》*4との相性は抜群。もともと相手のカードの効果の対象にならない陽炎獣をフィールドに並べ、《ビーストライザー》などで強化して攻守隙の無い盤面を作れる。上級モンスターが中心なので事故率はやや高いが、安価に組めるうえ、現在でもそれなりの強さ。

f:id:jackallsasaki:20180731191706p:plain


【デビフラワンキル】
 ライフポイント5000を支払ってエクストラデッキの融合モンスターを召喚する《デビル・フランケン》。初期ライフ4000のリンクスではまともに使えないカード…ではなく、ライフポイントが1000以下の時、カードを発動するために払うライフポイントが必要なくなる「ライフコスト0」というスキルがある。この効果は次の相手ターン終了時まで続くので、《デビル・フランケン》の効果も2回使用できる。《局地的ハリケーン》で相手のセットカードをバウンスさせ、《青眼の究極竜》《サイバー・エンド・ドラゴン》で総攻撃すれば一気に逆転可能。スキル「ライフコスト0」を使えるのは杏子と梶木、リシド、エスパー絽馬だけなので、この4人が怪しい動きをしていたらライフを1000以下にしないよう立ち回る必要がある。まあ《神の忠告》*5《コズミック・サイクロン》で調整されたらどうにもならんけど…。今現在でも特に規制されていないデッキ。

※追記 2018年10月の仕様変更により、「ライフコスト0」は「次の相手ターン終了時まで、1度だけカードを発動するために払うライフポイントが必要なくなる」効果に調整された。

f:id:jackallsasaki:20180731191719p:plain

 

【肥大化バーン】
 《溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム》を相手フィールドに召喚、《肥大化》や《呪魂の仮面》でロックし、《溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム》の効果ダメージや《アマゾネスの剣士》の自爆特攻で相手ライフを削る。初期ライフ4000の『デュエルリンクス』ではかなり有効な戦術。強制的に相手のデッキに《寄生虫パラサイド》を仕込むインセクター羽蛾のスキル「フライング寄生」も併用すれば、ラヴァ・ゴーレムを警戒してフィールドに2枚以上モンスターを並べない相手への対策になる(ついでにパラサイドの効果ダメージも入る)。後に《肥大化》がLIMIT1に規制され、やや組みにくくなった。

f:id:jackallsasaki:20180731191743p:plain


【三星忍者】
 迷宮兄弟のスキル「三星降格」は「ライフポイントを2000払い、ターン終了時まで手札のモンスターのレベルを3下げる」というものだった。最上級モンスターを即出せるのはもちろん強力で、減ったライフも《至高の木の実》で簡単に回復でき、《二重召喚》があれば最上級2匹をポンポン出せてしまう。あまりに強かったので消費ライフポイントが3000に調整されたが、「忍者」が登場したことで再度注目を浴びる。いったん《黒龍の忍者》《赤龍の忍者》さえ出してしまえば、《忍法 分身の術》《忍法 変化の術》などを駆使して一方的な展開が可能だった。プレイングがやや難しい点*6、《忍法 変化の術》がウルトラレアで入手しにくい点がネックだったが、さらに「三星降格」が「ライフポイントが1000以下の時に使用できる」よう再々調整されてしまった。一時期は世界大会で猛威を振るうほど強力なデッキだったが、現在はめったに見かけない。

f:id:jackallsasaki:20180731191756p:plain

 

【バランス氷結界】

 後攻で《氷結界の三方陣》を使用して相手モンスターを破壊、《氷結界の虎将グルナード》《氷結界の虎将ガンターラ》を特殊召喚して一気に場を制圧する【氷結界】が一時期流行した。先攻の場合でも自分はモンスターを召喚せずターンを終えればいいだけだし、手札さえ揃っていれば一瞬で勝利できるお手軽デッキ。特にスキル「バランス」や「リスタート」と併用するデッキが多かったようだ。
 スキル「バランス」は、開始時の手札がデッキ内のバランスに応じたものになる効果。例えばデッキのモンスターと魔法の割合が3:1なら、初期手札もモンスター3枚:魔法1枚で始められる(『デュエルリンクス』の初期手札は4枚)。
 もともとデッキ下限が20枚の『デュエルリンクス』で、高確率で狙った手札を初手から揃えられる「バランス」は明らかに壊れ性能。弱体化を重ねた結果、現在では「デッキにモンスター・魔法・罠カードがそれぞれ6枚以上入っていないと適用されない」ようになっている。
 「バランス」と同レベルで汎用性が高いスキルだったのが、初期手札を1度だけ引き直しできる「リスタート」。こちらは「次の番自分は通常ドローができない」という形に調整された。この2つのスキルの弱体化、優秀な除去カードの増加などの理由もあり、現在は【氷結界】自体それほど脅威ではない。

f:id:jackallsasaki:20180817150914p:plain


【サフィラ機械天使】
 2017年9月に「遊戯王GX」キャラが登場して以降、長らくランキング上位を占めていたのが「サイバー・エンジェル」中心の儀式デッキ。いまだシンクロ召喚すらないようなカードプールのデュエルリンクスで、第9期(2016年)登場の機械天使は明らかにオーバースペック。高いステータスを持ち除去も可能な《サイバーエンジェル-荼吉尼》、耐性を付与できる儀式魔法《機械天使の儀式》、手軽なサーチカード《サイバー・プチ・エンジェル》といった強力カードが揃っており、しかもキーカードの多くが天上院明日香のレベルアップ報酬&ドロップ報酬なので、課金せずとも比較的手軽に入手可能。あまりにも強力だったため、2017年11月に《サイバーエンジェル-荼吉尼》《機械天使の儀式》が異例の早さでLIMIT2に規制されたが、《竜姫神サフィラ》《輝神鳥ヴェーヌ》などの儀式モンスターを加えたデッキも流行。依然として高い使用率をキープしていたため、とうとう2018年6月に《サイバー・プチ・エンジェル》もLIMIT2入り。サイバー・エンジェルデッキはまともに組むことすらできなくなってしまった。

f:id:jackallsasaki:20180731202225p:plain

 

【自滅】

 『デュエルリンクス』で各キャラが使う固有スキルの中には、対戦後のドロップ報酬でのみ入手できるものがある。スキル集めで効率だけを追い求めるなら「対人戦でサレンダー以外*7の手段でさっさと負ける」のがいちばん手っ取り早い(対人戦で負けても、ある程度の報酬と経験値はもらえるため)。この稼ぎプレイに特化したのが自滅デッキで、《デステニー・デストロイ》《サイコロン》《ヒエログリフの石板》など、自分のライフを減らす魔法・罠カードをひたすら使うだけ。相手している方はちっとも面白くないが、無償で勝ちは譲ってもらえているわけで、ある意味Win-Winなため特に問題にはなっていない。少なくとも今のところは。

f:id:jackallsasaki:20180731204644p:plain


【増刷害悪】
 ライフが2000減るごとに、次のドローフェイズで引いたカード1枚を2枚に複製できるペガサスのスキル「増刷」を活用したデッキ。《黄金の天道虫》でライフを維持しつつ、《レインボー・ライフ》《イタクァの暴風》《ドレインシールド》などの罠カードを増刷して相手をロックする。後に「増刷」がデュエル中に1回しか使用できなくなったことで大幅に弱体化した。

f:id:jackallsasaki:20180731191910p:plain

 

【サイレントワンキル】
 《サイレント・ソードマンLV3》に《財宝への隠し通路》を使って直接攻撃可能な状態にし、《沈黙の剣》で攻撃力をアップ&効果耐性付与、《アサルト・アーマー》で2回攻撃を付与し、ワンキルを狙うデッキ。やってることは上記の「カラテマンワンキル」と変わらないのだが、効果耐性が付くため止めることが非常に難しい。現在は《財宝への隠し通路》《アサルト・アーマー》《沈黙の剣》がLIMIT2に規制されている。

f:id:jackallsasaki:20180731191923p:plain

 

 以上です。ちなみに今現在(2018年7月)の『デュエルリンクス』では、OCGでは2018年に登場したもののたいして流行らなかった【空牙団】デッキが猛威を振るっています。そりゃ最近出たばっかのカードがリンクスに来たら強いよな。あと筆者は『遊戯王』OCGをプレイしたことがありません(チェーンとか理解できないため)。

www.konami.jp

*1:恐竜族の攻撃力と守備力を300アップする

*2:ハーピィを召喚した時、場の魔法・罠カードを1枚破壊できる

*3:効果ダメージを受けた時に手札から特殊召喚でき、相手に同ダメージを与える。さらにそのターン中、以降は効果ダメージを受けなくなる

*4:デッキの1番上のカードの種類を当てると、手札・墓地から炎属性モンスターを召喚できる

*5:ライフポイント3000を払って相手のモンスター召喚、魔法・罠の発動を無効にする

*6:具体的にどう難しいのか説明するのが面倒くさいレベル

*7:サレンダーすると報酬等はもらえない