『男! 日本海』に出てくる下ネタの人名や地名をまとめました。
週刊漫画ゴラクで連載されていた『男! 日本海』(玄太郎・全10巻)をご存じだろうか。正式タイトルは『どはずれ諸国マン遊記 男! 日本海』。チンチンが24センチある高校生・魁 日本海が、その「八寸胴返し」「極楽棒」とも言われる巨根を振りかざしつつ、出会った女性たちとエッチをしたりコブラツイストやサソリ固めを決めたり問題を解決したりしながら旅をするという、人生に必要ないことだけで構成された快作です。
読めば読むほどIQが削り取られていく pic.twitter.com/R6z7fX2Ebj
— ゼロ次郎 (@zerojirou) 2017年6月4日
本作の見どころはなんといっても「適当極まりない下ネタ固有名詞」。槍間久里子(やりまくりこ)だの万津里好代(まんずりすきよ)だのといったキャラや、槍萬市(やりまんし)だの尾女狐村(おめこむら)だのといった何も考えていない地名がバンバン出てくる。本当にしょうもないのだが、娯楽作品かくあるべし、頭カラッポのほうが夢詰め込める…という作者の強い主張が込められている気がしないでもない。というか、しない(これらのネーミングは連載途中から読者募集もしていたらしい)。それはそれとして単行本化されている10巻分に出てくるキャラクター、地名などの固有名詞を以下にリストアップしてみた。『男! 日本海』をテーマに卒論を書く予定の方の参考になれば幸いである。
ちなみに『男!日本海』の典型的なストーリーは以下のようなものである。
・日本海のモノローグ
「前略 母ちゃん、●●市(下品な名前)に来ています」
↓
・ボインの美女を発見する日本海
「ウホッ! ナイスバディ♡」
↓
・自己紹介する美女と日本海
美女「わたし、●●●●(下品な名前)よ」
日本海「●●●●!? なんてスケベな名前だ♡」↓
美女「わたしの仕事をを手伝ってくれたらやらせてあげるわ」
↓
・いろいろあってトラブルを解決したりしなかったりする
↓
・チンポを入れてHAPPY
↓
・おわり
以下が各巻のあらすじとサブタイトル、各話に出てくる人名・地名・店名・社名などのリストになります。人名は太字で表記、読み方がわかるものはルビを振っています。
■第1巻
貧乏寺の跡取り息子・魁日本海(高校生)は、町の有力者の花嫁との駆け落ちに失敗、勘当されてしまう。日本海伝説のスタートだ!(第1話) 第8話は伝説のペニス温泉の回。第9話ではダッチワイフ松尾こと松尾平助が登場。頭にパンティ、背中にダッチワイフを付けて公衆の面前を歩き、顔は十人並みで頭は悪く、酒乱で夜這い癖があり仮性包茎で早漏という人類ランキングで下から100位くらいの変態だがなぜか準レギュラーとなる。
【第1話 旅立ちの女】
【第2話 巨乳の女】片岡令子
【第3話 湯の女】
【第4話 あやかしの女】鎌田満子(鎌田満)、玉子(玉本金造)、純子
【第5話 姫始めの女】坂田千絵、秋彦、
【第6話 占いの女】
【第7話 春をひさぐ女】晶子(
【第8話 過疎の女】音川先生、
【第9話 金髪の女】
■第2巻
冝保愛子だの北澤だの(第9話)お立ち台だの(第11話)、90年代初期の時事ネタがむりやり挟み込まれている。ちなみに1巻第5話の秋彦も「冬彦さん」のパロディ。この頃は地名はともかく、人名はまだ比較的普通のものが多い。
【第1話 ご奉仕の女】
【第2話 四つ目屋の女】
【第3話 艶歌の女】
【第4話 家庭教師の女】健太、
【第5話 婚約者の女】
【第6話 艶殺しの女】
【第7話 お医者さんごっこの女】
【第8話 陶芸の女】
【第9話 幽霊の女】
【第10話 民宿の女】渚、波夫、
【第11話 お立ち台の女】
■第3巻
第2話~第4話の舞台「仙吊」というネーミングは作者のお気に入りなのか、地名・人名としてこの後もやたら出てくる。この回で日本海の本当の母親が判明したりしますが、特にストーリーには関係ないので忘れていいです。第10話「尼僧の女」のくだらなさは凄まじく、『男! 日本海』傑作選が出るなら収録必須。
【第1話 指名手配の女】山西鈴子、達也
【第2話 相部屋の女】
【第3話 磯巾着の女】
【第4話 男嫌いの女】
【第5話 成人式の女】
【第6話 のぞかれる女】
【第7話 雨宿りの女】村田桂子、
【第8話 仕切り直しの女】宮本花江、
【第9話 張り込みの女】素又ホテル、
【第10話 尼僧の女】聖クリトーリス修道院、
■第4巻
下ネタ人名がお約束となり、作品のIQも加速度的に低下していく。日本海のライバル的なキャラ、快楽棒サオ師こと麻生鯉次郎が登場(第1話、第3話~第5話)。第5話では性豪協議会の立ち合いのもとついに両者が激突、6時間で何人いかせられるかの勝負で雌雄を決する。日本海は敵の策略で下剤を盛られるも、ウンコしながらSEXする奇策でみごと逆転した。
【第1話 欲棒の女】
【第2話 夜這いの女】
【第3話 追われる女】
【第4話 貝合わせの女】
【第5話 快楽棒の女】
【第6話 あぶない女】女陰峠、
【第7話 双子の女】
【第8話 囲われる女】
【第9話 カッパ沼の女】
【第10話 スキンヘッドの女】悦楽温泉、
【第11話 レディスの女】
■第5巻
たまに大ゴマで出てくる日本海のサソリ固めとか卍固めとかのプロレス技はなんなんですかね。第8話は作者のプロレス趣味が存分に出ている、かと思いきやそうでもないような回。
【第1話 フェラボクロの女】
【第2話 テレフォンセックスの女】
【第3話 ヒッチハイクの女】亀頭寺、
【第4話 ヤクザの女】仁義商会、辰吉課長、侠子、文太
【第5話 犬を飼う女】レックス、
【第6話 秘宝の女】和助、
【第7話 旅役者の女】
【第8話 仮面の女】プッシー
【第9話 強盗の女】
【第10話 上流階級の女】
【第11話 宝石商の女】
■第6巻
6話では日本海がついに帰郷。日本海の両親、森川親子、音川先生等の過去キャラがいろいろ出てくる。この作品に過去を振り返るという概念があったことに驚愕。
【第1話 剣道の女】ビジネス旅館 河咬里、
【第2話 島の女】
【第3話 神頼みの女】萬光神社、
【第4話 デパートの女】
【第5話 レディスコミックの女】
【第6話 望郷の女】
【第7話 下着の女】ヌレール、
【第8話 銭湯の女】亀の湯、亀代、
【第9話 ボッタクリの女】
【第10話 雪山の女】
【第11話 受験の女】穴堀、
■7巻
この巻は正直適当なネーミングが多いが、適当過ぎて逆に面白くなっている気もする。「土手茂美」なんて「土手高子と又倉茂美の両者と関連性があるのか!?」などと『男! 日本海』クラスタの間で激論が発生しかねない(しない)。「麻羅子」は第6巻第6話に出てきた折賀進の女性名。
【第1話 床屋の女】理容とこじょうず、
【第2話 トラッカーの女】
【第3話 商売繁盛の女】
【第4話 女子寮の女】
【第5話 香具師の女】
【第6話 座禅の女】
【第7話 蝶の女】
【第8話 取材の女】
【第9話 引っ越しの女】オオマラ運送、
【第10話 隣の女】麻羅子、
【第11話 記憶喪失の女】
■8巻
閉鎖的な因習の村(第3話・第6話)、殺人だの詐欺だのの犯罪(第4話・第8話)…いろいろ物騒なことに巻き込まれがちな日本海ですが、まあこいつも性犯罪者みたいなもんなので…。「めこげし」(第9話)は元ネタがよくわからない。第8話の大黒真子は第2巻第7話のキャラと同姓同名。
【第1話 黄色いハンカチの女】御露女子刑務所、
【第2話 いくにいけない女】越地駅、玉夫、
【第3話 落ちない女】夜這い村、
【第4話 やられる女】
【第5話 挑発する女】
【第6話 はめられた女】正栗村、
【第7話 失恋の女】ペンション栗鳥巣、
【第8話 オトリの女】
【第9話 鉄砲玉の女】
【第10話 激写の女】
【第11話 ヌーディストの女】益垣、
■9巻
ひょんなことから鳳経大学「絶倫クラブ」の面々に慕われることになった日本海。性技学博士・毛樽馬珍保とともに「伝説の遊女・お女湖」の生まれ変わりを探すことになるのだった(第2話~第7話)。温泉でダッチワイフ松尾と出会った日本海は、時価3億円の宝石「マンコの雫」を巡ってヤクザに追われることに(第8話~10巻第2話)。マンコの雫て。
【第1話 うわばみの女】
【第2話 ペニスキラーの女】満古寺、ペニー・シャブリ、鳳経大学、
【第3話 キャンパスの女】
【第4話 幻の女】北川歌魔羅、お
【第5話 ペニ研の女】
【第6話 ピンサロの女】穴乃、舐子、
【第7話 霊能者の女】
【第8話 極道の女】大穴温泉、羽女田組、マンコの雫、
【第9話 山の女】
【第10話 十万円の女】
【第11話 学生寮の女】※新キャラ無し
■10巻
フェラチオの達人・矢理奈サイこと通称サイ婆が知らせる女陰島の危機! 日本海、絶倫クラブの鬼頭、薄井電機社長の薄井(城南電機の宮路社長がモデル)、浪人生の能垣の4人が女陰島に向かうが、他の3人はまるで役に立たなかった(4~7話)。日本海はかつての教え子を探す旅に出るサイ婆と同行、特に何か起きたわけではないがそのまま最終回(単行本として)を迎えた(8~11話)。
【第1話 刺青の女】※新キャラ無し
【第2話 親分の女】
【第3話 エッチ強盗の女】
【第4話 演技する女】女隠島、
【第5話 バスガイドの女】ヤラセ観光バス、
【第6話 予行練習の女】
【第7話 女陰島の女】
【第8話
【第9話 縛られる女】
【第10話 ファッションヘルスの女】
【第11話 よがり声の女】
以上です。さて、『男! 日本海』は10巻まで刊行されており、各10~11話が収録されているが、本作は読み切り・スピンオフを含めれば優に300話以上ある。つまり、単行本で読めるのは全作品中の3分の1程度しかないのだ。未収録分のタイトルについては、以下のファンブックに全掲載されている(pdf版あり)。人名辞典、地名辞典に加え作者の弦太郎先生へのインタビューも収録、研究本として完璧な力作(ていうかこんなスゴい本があると知ってたらこんな記事書かなかった)。「又倉って苗字のキャラ大過ぎ」等の気づきを得られます。
刊行分の『男! 日本海』については、電子書籍サイトでいくらでも読める。読みましょう。おれはこの原稿を書くために10年分くらい『男! 日本海』を摂取したのでしばらくはいいです。